Kalanchoe.

「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「あなたを守る」「おおらかな心」

大雨の思い出

洗濯物が溜まっているとき、外に出かけなきゃいけない用事があるとき、雨が降っていると困ります。強ければ強いほど尚更困ります。

特に、夏場は昼間は晴れていても夕方ごろに途端に天気が崩れ、雷を伴う大雨が降ります。夕立ってやつですね。

もし、外に出かけていて、傘もないのに雨が降ってきてしまった。そんなときみなさんはどうしますか?走って家に戻りますか?それとも、どこかで雨宿りをしますか?

今回は、そんな大雨にまつわる思い出を書こうと思います。

 

 

学生時代、私はとあるコンビニエンスストアでアルバイトをしていました。

バイトを始めて1年ちょっと経ったある夏の夕方ごろのことです。

おじいさんがお弁当を買いに来ました。その人は週に1回か2回お店に来る人だったと思います。

入店してお店の中をぐるぐる回った後、お弁当を持ってレジにやって来ました。

お弁当を温めるようお願いされたので温めてお渡しした頃、外はすごい雨になっていました。

そのおじいさんは歩きで来ていたのでしょう。温まったお弁当を持って困った顔をしていました。

そして、おじいさんはなんと、お店のATMやコピー機が置いてあるお店の隅に座り込んでお弁当を食べ始めたのです。

確かに、雨が止むまで待っていても、雨のなかお弁当を持ち帰ってもお弁当は冷めてしまうでしょう。

お客さんが少なく、商品の納品もまだ来ていなくて暇だった私はおじいさんに声をかけました。

話を聞くと、おじいさんは家に電子レンジがなく、どうしようもなかったそうで、すぐに食べるからここに座らせてくれとのことでした。

ですが、いくら早朝と昼間と夜中に清掃しているとはいえ、床の上に直接お客様を座らせるわけにもいかないと思った私は、お客様に少々お待ちくださいと伝えて、バックヤードにいきました。

バックヤードではオーナーが気難しい顔をしながら廃棄するおにぎりをチェックしていました。

オーナーにさっきの出来事を伝えて、普段バイトの人たちが休憩するときに使うパイプ椅子を一脚持ち出し、おじいさんに出してあげました。

おじいさんは、いや大丈夫だから…と一度は断っていたのですが、座ってもらい、お弁当を食べて、ありがとうと言って帰っていきました。

その後雨が止み、休憩のためにバックヤードに入ると、オーナーに「さっきの、よくやったと思うよ」と言われました。

お客さんに、普段バイト用として使っている備品を貸すのはどうか…と思っていましたが、オーナーに褒められたことで、良かったと思い心が晴れたように感じました。

 

その後、コンビニコーヒーの普及と、今回の件がきっかけになり、お店の片隅にカフェスペースとして小さなテーブルと椅子が置かれるようになりました。

 

今はもうそのお店はやめてしまいましたが、

ときおり大雨が降ると、この話を思い出します。

 

思い出すたびに、困った人に何か小さなことでも、手を貸せるような人間でありたいと思うのです。

 

 

おわり。

 

 

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