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Kalanchoe.

「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「あなたを守る」「おおらかな心」

重版出来!

 

 

 

冬の寒さもとっくに過ぎ去り、いよいよ来月と迫る、部署替えが心配となる3月の終わり。

録画していた「ダメな私に恋してください」を観ながらコーヒーを飲んでいると、

来月から始まるドラマのCMが流れた。

それを観て、「あ、これ絶対観よう」そう思った。それが、「重版出来!」だった。

 

重版出来!」、最初は大好きな俳優さん、松重豊さんが出ているからという理由で観始めたのだが、結果的にすごく面白くて、時間的にリアルタイムでの視聴が難しく録画して観ていたのだけど翌週が待ち遠しくなるくらいだった。

 

同じ時間帯の前回のドラマ「ダメな私に恋してください」は、はっきり言ってストーリーがよくわからず、主演のディーン・フジオカかっこいいなとか、深キョンはかわいいなとかそういうことしかわからなかった。

けれど、重版出来!は、それぞれ出演されている俳優さん方の魅力を存分に活かしつつ、どの人物の心情も理解できて(いや、唯一中田伯はわからなかったけど)とても面白いドラマだったと思う。

 

 

スパゲティに例えるなら、

どんなに高い具材を使い、ナポリタンを作ったとしても、その要となるパスタの茹で方がめちゃくちゃで、硬くて食べられないものであったら、普段お金がなくて必死に作ったパスタであったら全部食べられるだろうけど、普通はその具材だけ食べて麺は残してしまう。もったいないけど。

具材自体はそんなに高くなく、スーパーの特売品や冷蔵庫の残り物をかき集めたもので、でも麺の茹で方、お湯の量やら塩を入れるタイミングやらに気を使い、丁寧に作ったものならきっと美味しく食べられる。変わった味付け、ふだんは絶対使わないような高い具材で冒険することなく、安定したものを使うことがナポリタンの要になるのだ。

 

 

 

重版出来!」は、出演している俳優は皆、実力派の人ばかりだった。

主演自体は少ないけれど、脇役などでしっかり経験を積んだキャリアのある人たちが、登場人物の心情をしっかり描いた話を芝居することで最高のドラマに仕上がっていた。

 

 

話の内容が漫画に携わる編集者や漫画家、営業、売る書店の話だったが、人によっては自分の働いている業界に話を例えて観ていた人もいるだろうし、私はただ単に出版社の話として観ていたのだけど、人物それぞれの心情が痛いくらい心に刺さってきて、毎回観るのが大変だった。

その中で、好きな話がある。

 

 

オダギリジョー演じる五百旗頭敬が、社長の信念である「善行の積み重ね=運の積み重ね」を大切にしているということだ。

よく、何かいいことがあったときに「日頃の行いがいい」なんていうけど、

日頃から善行を積み上げれば、それはいつか自分が困ったときに運となって味方してくれる。

この話を観て、すごいなぁ…と感動していたのだけど、それ以上に五百旗頭にオダギリジョーがしっくりしすぎていてダメだった。

 

 

また、松重豊さん演じる和田編集長が、「私ら大人は子どもの前でかっこつけなきゃならんでしょう!!!!」と言ったり、閉店寸前の本屋に転売目的で本をかいにきて「3万出すのでこれ取っといてください」なんて抜かす連中に「どれだけ失礼なこと言ってるかわかってんのか、本は全国どこで買っても同じ値段なのがいいんだろうが!!!」と言って追い出す話もダメだった。それ以上に松重豊さんがかっこよすぎてダメだった。

 

 

 

また、最初の方で、売れないアシスタントの逆恨みでネットの評判をfaxされて、それを読んでショックを受けて漫画を描けなくなった三蔵山先生。

いつも落ち着いていて、でも仕事には厳しく、そして部下(アシスタント)を大切にする、まさに理想の上司、といった人。重版出来!では、人物それぞれが悩んで行き詰まったとき、いつもこの人に頼っていたんじゃないかなって思う。

だからこそ最終回で、賞を受賞して「これから誰もみたことがないような漫画を描く」と高らかに宣言したときは度肝を抜かれたし「三蔵山先生、すごいよ!!!」と思った。

余談ではあるが、私は三蔵山先生のモデルは手塚治虫なんじゃないかなと思ってる。

 

 

 

編集者の話もそうだけど漫画家もすごいとしか言いようがなかった。

どういう漫画家がいたのかは、Wikipediaを読んでねと言っておくけども、

ストーリーはうまいけど絵が壊滅的に下手な中田伯と、絵はうまいけどストーリーが下手な東江絹は結局組まなかったね。

中田は三蔵山先生の下で修行しつつ、順調に腕を伸ばし、連載が決まって人気漫画家になったけど、東江は潰しの安井の下で消費され参ってしまい結果派遣社員をやりつつ漫画を描く、という結末になった。

けど、誰かの手を借りてそこでようやく自分も表舞台に立てるというのでなく、誰かの手を借りつつも、結局は自分一人で表舞台に立つことが、自分自身の成長にもつながる、ということを考えればこれで良かったんじゃないかと思う。

 

 

このブログを書きながら、ドラマのことを考えるとまた観たくなってしまったので、多分DVD-BOX買うんじゃないのかなあ、これ。