Kalanchoe.

「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「あなたを守る」「おおらかな心」

never happen

 

 

皆さんこんばんは。はにーです。

 

突然ですが私はつい最近通勤方法を変えました。電車で行くことにしたのですが、電車で通勤というのはなかなか面倒なものですね。

学生の頃も電車で通学はしておりましたが、なんともまぁ、ただでさえこれから仕事に行く嫌な時間を、たくさんの人と一緒の空間に詰め込まれて過ごさないといけないのかと思うとうんざりします。

そんなわけで(?)そういう時間を、iPhoneをいじったり3DSをいじったりするのでなく、少し有効に使おうかと思い以前買って読まずに本棚に積んである文庫本を何冊か鞄に詰め込んだ次第であります。

ここ1ヶ月で2冊の本を消化しました。結局は2冊とも通勤の時間だけでなく家にいる時間などに時間をみつけて読んでおりましたが2冊とも読めば読むほど先が気になり、残りのページが惜しくなるくらい面白いものでした。

今回はその2冊の本を紹介しようと思います。

 

「陽気なギャングは三つ数えろ」 伊坂幸太郎:著

 

 

 

伊坂幸太郎の人気シリーズ第3作目であります。

話の内容を簡単に言いますと、演説の達人の喫茶店を営む男、嘘を見抜く公務員の男、天才スリの動物好きの青年、精確な体内時計を持つ凄腕ドライバーのシングルマザーの4人が手を組み銀行強盗をしていると他の事件に巻き込まれ、その事件をそれぞれの特技を生かし解決していくという話でございます。

伊坂幸太郎の作風として挙げられるのがまず「登場人物の小気味良い会話」「伏線回収の気持ち良さ」「悪人なんだけどどこか憎めない」というのがありますが、まさにこの3つが盛大に生かされているのが本シリーズだと思います。

今回の作品は天才スリの動物好きの青年である久遠(くおん)が、ひょんなことから悪徳記者と出会ったことから話は始まります。

登場人物の、何の意味もないようなちょっとした会話や行動が後々に伏線として回収されていくのは本当に読んでいて気持ちが良かったです。

ところでこのシリーズ、次ってあるんですかね。作中で登場人物も触れていたしあとがきでも作者が言っていたのですが、昨今各地に監視カメラが設置されたりスマートフォンの普及によって銀行強盗が難しくなってきているそうです。今作は9年ぶりの新作(前作「陽気なギャングの日常と襲撃」は様々な媒体で発行されたものを集めた短編集であった)であり、4人の人物も歳をとり2年ぶりの強盗だそうです。

もしかしたらこのシリーズも次で最後かなと思うとちょっと寂しいですね。

余談ですが、私は今までこのシリーズの全2作は祥伝社文庫で出版された、いわば文庫サイズのものを読んでいたのですが

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

 

 

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

 

 

 

今回は新書サイズのもので、最初はちょっと読みにくく感じました。

のちに文庫サイズで出版されるのでしょうか。

  

 

「残り全部バケーション」 伊坂幸太郎:著

 

残り全部バケーション (集英社文庫)

残り全部バケーション (集英社文庫)

 

 

二冊目です。

まぁお気付きの方もいらっしゃると思いますが私は伊坂幸太郎の本が好きです。

好きと言っても彼が書いた本はあまり読んでいないので、それこそあれな連中にはにわかとか言われそうですが。

陽気なギャング〜でも作中で言われていましたが、彼の作品では「小さなものを大きなものの中に隠す」ということが大きなテーマとなっていると思います(というか、悪党が主役の作品が)

今作は「当たり屋」の仕事をしている二人組の男たちが主人公で、それぞれの章で様々な人間に出会い、過去が語られ未来が語られていく形となっています。

いやぁ本当に最後は読んでいて感心しました。あのときに出ていたあの人はさっきあれで出てきてたのかとか、そういうことが一気に終盤になって語られるので(しかもそれが無理のない、納得のいく形で)本当に読んでいて「なるほど」と声が出てしまうようなそんなお話でした。

この作品も伊坂幸太郎らしい憎めない悪党が小気味良い会話をしていますね。

岡田という人物が一応準主役みたいな扱いなのですが、例えば解散寸前の3人家族を連れてドライブに出かけ(他人からもらったクレジットカードで)レストランで食事をご馳走したり、虐待にあっている子どもを救おうとしたり、と憎めない一面があっていいなぁと思いました。

ちなみに表紙の絵が全部甘いものなのも今考えるとある意味伏線なのかなと思います。

「飛べても8分」という章がありまして、そこで今までの章で起こった出来事が一つの結末に向かって集束していくのですがこの章では溝口というおそらく主役の人物のちょっとかわいいところ(?)がでてきます。

まさに「never happen」まさか、とんでもない、とんでも8分な小説ではありましたが本当に楽しく読めました。

 

伊坂幸太郎の小説の人物はどの方も魅力的といいますか、本当に変わった性格の人間ばかりで、でも彼らの言葉は変わってるように見えて筋が通っていて読んでいて気持ちがいいものであります。

また、「小さな失敗は大きな失敗に隠す」という言葉が(様々なニュアンスで)何度か出てきますが、これが結構話全体の大きなキーとなっていたりしますね。

2冊とも読んでいて面白かったです。

実はまだ、もう1冊残っているのでこれも早く読み終えたいです。

 

 

ところで、「陽気なギャングは三つ数えろ」では、とある人物が作中で当たり屋に合いそうになるシーンがあります。

「残り全部バケーション」は当たり屋の話なのですが、どこかそういうところで繋がってるのかなとか思うと面白いと思いました。

 

 

おわり。